今回わたしはISK Bangkokのアテンドにより、造膣無しのSRS手術を受けました。
金銭的にも肉体的にも負担が少ないこと（入院日数や滞在日数も減らせること）、性行為に対しての欲求がそもそも薄いこと、ダイレーション等のリハビリにかかる時間や負担が惜しいくらい、目標ややりたいこと、会いたい人、行きたい場所があること、その他いろいろな理由と、少しの葛藤の末に、造膣無しでの術式を選びました。
渡タイ当日は超大型の台風が日本に接近していたこともあり、直前までタイに行けるかどうか不安だったのですが、ほんとうにギリギリ飛行機が飛んで、タイに着くことができました。
タイに着いて、ケットと会って、そのまま病院へ行って、書類にサインをしたり、矢野さんと合流してお金を払ったり（自分の手から大金が離れて、このときめちゃめちゃホッとしました）
採血されたりレントゲン取られたり剃毛されたり浣腸されたり……しているうちに、手術の時間になって、車椅子に乗って手術室まで。浣腸されてトイレで悶絶しているとき、「わたしなんでここにいるんだろうな」と、不思議な気持ちになりました。
いろんなことを思い出したり新しく思ったりしながら、明るい気持ちになったり暗い気持ちになったり、でも心は静かで、病室も静かで、不思議な時間を過ごしました。
手術室までの車椅子はケットが押してくれて、手術室の手前には矢野さんがいて、写真を撮ってくれたり、わたしが麻酔で眠ってしまうまで「そんなに心配そうな顔しないで」とか「痛いものは痛いから、けど大丈夫」とか、話しかけ続けてくれて、うれしかった、安心しました。
あのときは泣かなかったけど、いまちょっと泣きそうです。
いつのまか意識が切れて、気づいたときにはリカバリールームにいて、それからすぐに病室に移って、あとはずっと眠っていました。渡タイ前まで「造膣無しなんだし、いうてそんな大層な痛みじゃないだろう」なんて思っていたのですが、充分、痛かったです。かろうじて眠れるくらい。
屈強な整体師にずっと足ツボ押されてる、みたいな痛みでした。
ケットも矢野さんもずっとやさしくて、たぶん、2人がいなかったら、不安な気持ちで痛みと対峙していたと思います。
びっくりしたのは、病院食が美味しかったこと。
初日の、流動食みたいなお粥も、うまく形容できない美味しさでした。鶏の出汁なのか、なんなのか……。あと、初日だけ、水と一緒に渡された、赤い水（？）が、甘くて、でもなんだか消毒液っぽい風味もあってとても美味しかったです、飲めば飲むだけ身体が回復していくような沁みる美味しさでした。あれはなんだったんだろう……。
入院中はお腹の調子が悪く、ずっと下痢気味でした。ナースの方々申し訳ない……と思いながら排泄のためのナースコールを何度も押しました。
フランス、ドイツ、日本からそれぞれ、大学時代の友人がお見舞いに来てくれたのにも救われました。大切な、一生の友達です。
ケット、矢野さん、友達の明るさに引っ張られたのか、経過も問題無く、元気な状態で退院できました。病院付属のホテルに向かい、部屋に入ると部屋中に花が飾られていて、（こういう部屋なのか……！）と驚いていたら突然テレビから曲が流れて、ベットやシャワールームから友達が出てきて、クラッカーを鳴らされてサプライズでお祝いされました。
ケットも矢野さんも友達に協力してくださっていたらしく、感謝してもしきれません。
少しだけ残っていた悲しい気持ちや切ない気持ちも吹っ飛んで、たくさん笑って、みんなでご飯を食べました。
その後もトラブルはなく、カテーテルが取れ（痛かった……）、抜糸も終え（怖かった……）、何事もなく日本に帰ってくることができました。
もうすぐ、帰国してから1ヶ月になります。はしゃぎすぎて胃腸炎になったり、戸籍の性別変更手続きも無事終えたり、1ヶ月ですでに慌ただしい日々を送っていますが、きっとこれからも、新しいこの身体で慌ただしく楽しい日々を送っていくのだと思います。
ケット、そして矢野さん、ほんとうにありがとうございました。
※ 上記は実際に弊社をご利用頂き、手術を受けられたお客様からのご感想と写真を掲載させて頂いております。
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— Ikkun (ISK BKK) (@IskBangkok) 2020年9月23日
